東京図書株式会社

はじめて「質的研究」を「書く」あなたへ ―研究計画から論文作成まで―

太田裕子 著

A5判 240頁 定価 2420円
ISBN 978-4-489-02320-0 C3011
2019年9月刊行

◎質的研究を研究プロセスに沿って取り組める

本書は、初めて質的研究を用いて研究を行い、論文を作成しようとする人のために、「質的研究」と「書く」という切り離すことができない活動を、研究プロセスに沿って取り組める構成となっています。第1章から順に読み進み、論文作成ワーク等の活動に取り組みながら、最終的に一本の論文を書き上げるという経験をすることで、読者は研究が一気に進むことを実感できます。著者はやさしく語りかけるような文体で、よき伴走者として最後まで寄り添います。

太田裕子(おおた ゆうこ)

早稲田大学大学院日本語教育研究科博士課程修了、博士(日本語教育学)。
現在、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター准教授。

著書に『日本語教師の意味世界―オーストラリアの子どもに教える教師たちのライフストーリー』(ココ出版)、『日本語を学ぶ/複言語で育つ―子どものことばを考えるワークブック』(共著、くろしお出版)、『文章チュータリングの理念と実践―早稲田大学ライティング・センターでの取り組み』(共編、ひつじ書房)、『キャリアデザインのための自己表現─過去・現在・未来を結ぶバイオグラフィ』(共編、東京図書)など。

第1章 はじめて「質的研究」を「書く」あなたへ
―なぜあなたは「質的研究」を選ぶのか?―
<論文作成ワーク:論文の要素をとらえよう>

 

第2書 あなたはどんなレンズを通して世界を見るのか?
―研究を方向付ける研究者の立場―
<論文作成ワーク:先行研究における研究者の立場を読み解こう>

 

第3章 「研究」を通して何を明らかにしたいのか?
―研究の問いを立てる―
<論文作成ワーク:マップを作り、「問い」と研究の範囲を考えよう/序論の第一稿を書こう>

 

第4章 なぜ「先行研究」をレビューするのか?
―理論的枠組みと文献レビュー―
<論文作成ワーク:論文の中で先行研究をレビューしよう/先行研究章を書こう>

 

第5章 インタビューで何がわかるのか
―経験の「物語」に分け入る―
<論文作成ワーク:インタビュー報告書を書こう>

 

第6章 観察することと「書く」こと
―現実世界の再構築―
<論文作成ワーク:フィールドノーツを書こう>

 

第7章 どのような方法で研究の問いに答えるのか?

―研究方法を決める―
<論文作成ワーク:研究方法章を書こう>

 

第8章 調査を始める前に知るべきこと
―研究倫理、調査協力の依頼、調査協力者との関係―
<論文作成ワーク:「研究協力依頼書」と「研究倫理遵守に関する誓約書」を作ろう>

 

第9章 調査の過程で分析する
―質的データ分析の基本的な考え方と作業―
<論文作成ワーク:調査の過程を振り返り、問いを練り直そう/データ分析を体験しよう>

 

第10章 研究の結果、何が言えるのか?
―研究結果の記述と考察―
<論文作成ワーク:調査過程を振り返り、考察につなげよう/研究結果、考察、結論の章を書こう>

 

第11章 質的研究の「質」をどう高めるか?
―「妥当性」「信頼性」をどう考えるか―
<論文作成ワーク:論文全体を推敲しよう/自分と他者の論文を評価しよう>