東京図書株式会社

基幹講座 物理学 力学

益川敏英監修/植松恒夫・青山秀明編集/篠本滋・坂口英継 著

A5判 356頁 定価3300円
ISBN 978-4-489-02163-3 C3342
2013年10月刊行

◎“力学”を通じ物理的なものの見方を養う

「力学」は物理学の根幹に位置し,その後に発展した相対論や量子力学の基礎となっている.本書は,理系学生を想定した「力学」の教科書.大学の数学の知識を前提とせず,読み進める過程で数学をも習得できるようにまとめた.前半では「力学を通した数学入門」,後半では「現実の多様な力学現象の理解」を強調している.これらの力学現象を通じて物理学の概念を頭だけでなく感覚的に理解できるようにとの配慮から,要所に数学のまとめのコラムと現象例や話題のコラムを入れている.

■監修者

益川敏英(ますかわ としひで)

名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長・特別教授
京都産業大学益川塾塾頭
京都大学名誉教授

■編集者

植松恒夫(うえまつ つねお)

京都大学国際高等教育院特定教授/名誉教授

青山秀明(あおやま ひであき)

京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻教授

■著者

篠本滋(しのもと しげる)

京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻准教授

坂口英継(さかぐち ひでつぐ)

九州大学総合理工学府量子プロセス理工学専攻准教授

まえがき


第1章 運動学
 1.1 1 次元空間(直線)上の運動学
 1.2 2,3 次元空間内の位置
 1.3 2,3 次元空間での速度・加速度
 1.4 2 次元運動の平面極座標成分
 1.5 ケプラーの法則の運動学的解釈
 1.6 【発展】もう一つの楕円軌道
 1.7 【発展】運動軌跡の接線,法線,曲率半径


第2章 運動法則
 2.1 静力学と動力学
 2.2 ニュートンの運動法則
 2.3 慣性系とガリレイ変換
 2.4 単位系


第3章 保存則
 3.1 エネルギー
 3.2 角運動量
 3.3 運動量
 3.4 【発展】断熱不変量
  【益川コラム】対称性,パウリ


第4章 質点の運動
 4.1 重力による加速
 4.2 摩擦による減速
 4.3 粘性抵抗と慣性抵抗による減速
 4.4 フックの法則と単振動,調和振動
 4.5 減衰振動
 4.6 強制振動
 4.7 【発展】パラメトリック振動
 4.8 【発展】自励振動
 4.9 一様重力場中の2 次元放物運動
 4.10 3 次元調和振動子
 4.11 万有引力のもとでの惑星の運動
 4.12 クーロン力による粒子散乱
 4.13 散乱断面積
 4.14 【発展】3 次元調和振動子の別解法
 4.15 【発展】最急降下線
 4.16 【発展】拘束系の運動


第5章 非慣性系の運動
 5.1 相対運動と慣性力
 5.2 遠心力とコリオリ力
 5.3 回転座標系での運動方程式
 5.4 潮汐力
   【益川コラム】惑星探査,一般相対論


第6章 質点系の運動
 6.1 2 個の質点の運動
 6.2 多数の質点の運動
 6.3 【発展】ビリアル定理
 6.4 衝突と分裂
 6.5 連成振動
 6.6 【発展】相互同期
 6.7 伸縮前進運動
 6.8 カオス


第7章 剛体の運動
 7.1 剛体のつり合い
 7.2 固定軸のまわりの回転と慣性モーメント
 7.3 固定軸まわりの剛体の回転運動
 7.4 転がり運動
 7.5 歳差運動
 7.6 【発展】固定点のまわりの回転と慣性テンソル
 7.7 【発展】オイラー方程式と剛体の自由回転
 7.8 【発展】コマの運動


第A章 数学補足
 A.1 線形同次微分方程式の解
 A.2 変分法
 A.3 楕円積分と楕円関数
 A.4 ベクトルとテンソル
 A.5 数値計算法


第B章 章末問題略解
 B.1 第1章 章末問題
 B.2 第2章 章末問題
 B.3 第3章 章末問題
 B.4 第4章 章末問題
 B.5 第5章 章末問題
 B.6 第6章 章末問題
 B.7 第7章 章末問題