math stories 計算とは何か
上野健爾・新井紀子監修/新井紀子・新井敏康 著

A5判 208頁 定価 1980円
ISBN 978-4-489-02054-4 C0341
2009年10月刊行
◎計算の中にあるストーリーを探してみませんか
小学1年生のとき、計算は楽しいものでした。
中学生になったら、高校生になったら、計算は面倒で嫌なものでしょうか。
さて、私たちは何のために計算をするのか。それを考える前に、ちょっと計算の見方を変えてみましょう。
私たちがしてきた計算、そしてこの先の計算には、実はひとつのストーリーがあるのです。
それはなかなかスリリングでエキサイティングなストーリーです。
このストーリーの中に、計算をすることの答 えをさがしてください。
新井紀子(あらい のりこ)
理学博士。現在,国立情報学研究所教授,社会共有知研究センター長。
専門は数理論理学,情報科学,教育工学。
情報共有基盤システムNetCommonsを開発,学校などでも簡単に使いこなせる情報共有システムをめざしている。その一方で,専門の論理学を活かして算数・数学の著作にも多数取り組む。
このシリーズ既刊の『数学は言葉』(東京図書)のほか,『数学にときめく』『ふしぎな無限』(いずれも講談社ブルーバックス),『ハッピーになれる算数』『生き抜くための数学入門』(いずれも理論社)
新井敏康(あらい としやす)
理学博士。現在,千葉大学理学研究科教授。専門は数学基礎論。
CHAPTER 1 計算って何だろう
1.1 記憶の糸をたどる
1.2 アラビア数字という発明
1.3 たし算の筆算
1.4 計算の要素
CHAPTER 2 エデンの園からの追放
2.1 異質なわり算
2.2 わり算のアルゴリズム
2.3 分数の計算
CHAPTER 3 計算できる・できない
3.1 循環小数
3.2 平方根
3.3 円周率
3.4 三角比
3.5 指数対数
CHAPTER 4 再びエデンへ
4.1 曲線を近似する
4.2 カーブの傾き:微分係数
4.3 瞬間的な変化の寄せ集め:積分
4.4 微分係数で「カーブ」を表現してみる
4.5 テイラー展開
CHAPTER 5 計算を振り返る
5.1 計算のバリエーション
5.1.1 数表
5.1.2 計算法則
5.1.3 判断
5.1.4 探索
5.1.5 繰り返し
5.2 アルゴリズムを書いてみよう
5.3 機械に計算を代行させるには?
5.4 計算の着地点
5.5 計算の根幹をなすもの
● COLUMN カーナビゲーションと計算 (宇野毅明)
CHAPTER 6 計算のブラックホール
6.1 実数の四則演算
6.2 実数が実数であるために
6.3 無限小数,ふたたび
6.4 計算とは何だろうか
6.5 計算できない実数
6.6 恐ろしい結論
上記ブログでのこの本,このシリーズの刊行紹介
■推薦の言葉
そうか,こうして私たちは
世界に生まれ,世界を見つめ,
自分を世界に近づけ,歩んできたのか。
本書を読むことで私たちは世界を変える。
そして自らの内に育んできた勇気と力を取り戻す。
これは勇者についての物語だ。
瀬名秀明